実技演習『触覚刺激を併用したミラーセラピーの実際』

 参加者同士ペアになってミラーボックスによる治療を体験していただく実技講習会。術者側と患者側の両サイドを体験することで脳の可塑性をリアルに感じ、学ぶことのできる希少な勉強会です。

 たとえば典型的な手根管症候群に“BFI”および“触覚刺激ミラーセラピー”を施行すると、どうなるか?実際の症例(67歳・女性)を以下に示します。

 ミラーセラピーを行う前段階として、母指・示指・中指のしびれに関してはBFI を半年ほど続けた結果消失。こうした治療的診断の積み重ねによって「しびれの多くは神経脱落症状ではなく、脳の誤作動による感覚異常(paresthesia及びこれに類する知覚異常)に過ぎない」ことが分かっています。

 筆者はかつて整形に勤務していた際、数多の絞扼性神経障害の治療に当たりました。そのなかで教科書通りの症状を呈した重症例を機関病院に紹介し、手術中の神経変性所見を執刀医から確認しましたが、理学所見と完全に符合しておりませんでした(発症から術後経過に至るあらゆる事実関係を踏まえ症状の全てを神経因性と結論付けることはできなかった)。

 上の写真症例においては半年ほど前から「薄い紙などをつまむ動作がしにくくなってきた」と訴えたため、触覚刺激ミラーセラピーを実施したところ上記写真のとおり見事な回復、しかも即効的な回復が認められました。

 こうした驚くべき変化はまさしく脳の可塑性に因るものだと考えられます。BFI およびミラーセラピーは“治療的診断”の原則に則り、痛みやしびれの真の原因解明に寄与する革新的な手法であることを当日詳しく解説させていだきます。

※当会の視点…「筋委縮=神経障害」という教科書の記述は間違っている!多くの場合「筋委縮=交感神経の異常活動」である!

母指球筋萎縮の原因は正中神経の変性(軸索流停止等)であるケースは実はかなり少ない!その真の病態は交感神経の機能異常による局所の筋血流低下にある…、というのが筆者の見方。

 この観点に従えば、運動器プライマリケアにおいて遭遇する筋萎縮の多くは交感神経の問題-血管運動性の異常-であり、その病態は反射性交感神経性ジストロフィーすなわちCRPS(RSD)だと考えられる。筆者独自の考え-臨床像が痛みタイプ、交感神経タイプ、両者併存タイプに分かれる-で言えば、筋萎縮が前景に立つ症例はCRPS(RSD)交感神経タイプと表現することができる。

 絞扼性神経障害と診断される症例に見られる軟部組織の萎縮は、その多くが血管運動由来であり、痛みやしびれに関しては脳由来だというのが当会のスタンス。

 「症状の全てが神経因性」とする教科書の記述が正しいのなら、つまり筋力低下や筋萎縮の原因が末梢神経にあるというのなら、ミラーセラピーのごときアプローチで瞬時に改善する理由を説明できない。

 痛みやしびれにおいても、もしそれが神経圧迫によるものだとするならば、繊細な触覚刺激に過ぎないBFIのごときアプローチで消えるという現象もまた説明不能。

 であるならば、認知神経科学の知見を踏まえ“脳の可塑性”という次元に目を向けることは極めて自然な帰結と思われる

   下の写真は右母指CRPS(RSD)重症例です。

   この症例に触覚刺激を併用したミラーセラピーを行うと、どうなるか?

 結果、アロディニアは改善され、爪も切ることができるようになりました。どんな方法を用いたのか?当日詳しく解説し、参加者同士でその手法を再現していただきます。

※当日講習会で使用したミラーボックスについては希望者に無料で進呈いたします(写真と同じものになります。折り畳み式のボックスですので鏡といっしょに袋に入れて持ち帰ることができます)。10箱限定ですので、希望者が10人を越えた場合は当日会場での抽選とさせていただきます。