特別講演Ⅰ『最新の脳科学が解き明かす記憶の転送システムと“連合記憶”の臨床応用-代替報酬(目的置換)の意義-』

特別講演Ⅱ『肘内障の真の病態に迫る-関節反射ショック理論-』

 AKA博田法において関節包内運動の障害(関節面の引っかかり)を説明する際に引用されることの多い肘内障。しかし肘内障の病態にあっては未だ完全に解明されていない部分がある。そこで肘内障発症の真のメカニズムを考察する過程で導き出されたものが「関節反射ショック理論」。

 この仮説は実は肘内障のみならず亜脱臼のほとんど、さらに或るハードペインのメカニズムをも説明し得るものである。運動器の臨床で遭遇する痛みの多くがソフトペイン(BFIの捉え方)である中、 分かりやすいハードペインの一つとして、 突然瞬間的に現れる激痛がある。

 例えば「突然前触れもなくガクンと膝が抜けたようになって激痛を感じた」 「突然足部(とくに踵あたり)に激痛が現れて足を着けなくなった」 「突然股関節に激痛が走り、荷重できない状態になった」 「後ろにある物を取ろうとして、不自然に上体を捻って手を伸ばした瞬間、肩に激痛が走って数秒間余韻が続いた」 「車のハンドルを握っているとき、いつもと違う不自然な握り方をしてしまったせいか、突然指の中のどこかの神経に触った?と錯覚するほどの激痛が走った」

 これらの現象はすべて関節軟部組織の一瞬一過性に現れる緊張消失であり、急性一過性内圧低下症候群とも言うべき病態。私はこれを「関節反射ショック」と名付け、ほぼ同時に現れる瞬間的な激痛はまさしくハードペインである。

 基本的に関節反射ショックは数秒あるいは数十秒以内に回復する。これが小児の腕橈Jに発生したとき、その際の運動回路のプログラムエラーが小脳や前庭核に保存されてしまうと反復性の肘内障(いわゆるクセになるタイプ)になる。同様のメカニズムが膝ロッキングでも包含されている。

 関節反射ショックを起こす原因は種々の可能性が考えられるが、特に子供の場合は中枢の発達臨界(大脳12歳、小脳8歳と言われる)に達するまでは関節反射に対する中枢制御が不完全なことが背景にあると考えられ、大人の場合、いわゆる脳疲労(私が説明するところの脳代謝バランスの失調) に起因すると考えられる。

 関節反射ショック自体は数分以上も続くことはあり得ないと考えられるが、その後も関節軟部組織の低緊張が続くケースがある。これは脳のシステムが回復し切らないためで、そこにソフトペインが生まれると関節周囲の低緊張と慢性痛が…

 この続きは当日詳しく…。「関節反射ショック」のメカニズムに迫りたいと思います。

基調講演『自律神経測定の臨床意義

 初診時の自律神経に関する説明、実際の測定、データ内容の解説といった診察の流れを当日会場内で忠実に再現し、やがて患者がどのように変わっていったのかを解説。以前までのノートパソコンの小さな画面を見せるのではなく、24インチサイズの大きなディスプレイモニターを使うことによる「患者心理に与えるインパクトの違い」についても解説します。

実技講演『内臓アプローチとしてのBFI 技術の発見』

 昨今不整脈や胃腸障害等の内臓関連の症例が増えたことにより、BFIの内臓への転用技術が著効を示すことが分かってきました。今後はBFIの施術対象が内臓諸器官に広がる可能性が高まっています。今回はその基本テクニックを紹介します。